鳳凰図の一部 葛飾北斎
信州・若松院
・すごい迫力!
・息をのむ、力強さ
この絵を描いたとき、北斎は80代だったと言われています。今の時代の80代とは違い、当時の80代ですから...。ものすごいエネルギー。
鳳凰の目の凄さもさることながら、燃えるような胸の朱赤に、目がくぎ付けになります。
北斎が遺した言葉に、有名な次のものがあります。
「私は、6歳からものの形状を写す癖があり、50歳ごろから数々の作品を発表してきたとはいうものの、70歳以前に描いたものは取るに足らぬものばかりである。73歳にしてようやく禽獣虫魚の骨格や、草木の生え具合をいささか悟ることができた。だから、80歳でますます腕に磨きをかけ、90歳で奥義を究め、100歳になれば、まさに神妙の域に達するものと考えている。百数十歳ともなれば、一点一画が生き物のごとくなるであろう」
(富嶽百景のあとがきより。ちょっと意訳)
信じる道をどこまでも追求し、己の成長を望み、期待し、それが叶うと確信し、一心不乱にまい進する...。幸せな生き方ですね。
弱い気持ちがむくむく出てきたとき、こういう絵を見て、「爪の赤を煎じて呑む」ような気持ちになって、自分を戒めたい。