趣味でやっている合唱で、昨年秋、ヴァチカン市国に訪問できたことは、今思うと、本当にラッキーでした。
指揮者の西本智実さんのもと、オーケストラの演奏とともにモーツァルト「戴冠ミサ」と、グレゴリオ聖歌を歌いました。
半年かけて、熱を入れて練習してきました。合唱練習のほかに個人レッスンも受けてきましたし、自宅でもしょっちゅう自主練していました。
宗教のことはわからないことばかり。
でも、せっかくサン・ピエトロ大聖堂でミサに参列させていただくのだからと思い、聖書のさわりをかじったり、ルネッサンスやヴァチカンについて書かれた本を何冊も読んだり、イタリア語をレッスンしたり、もう盛りだくさん...。
そのせいもあってか、本番の最中「あぁ、わたしは多分、死ぬときにこの光景を思い出すな」と感じ、体いっぱいに幸せを味わいました。
この写真は、歌い終わった後、サンピエトロ大聖堂の外に出るときの写真です。自分で言うのもあれですけれど、なにか憑き物がとれたような、いい表情をしていると感じます。
こちらは本番翌日、サンタンジェロ城に行ったときの写真です。サンタンジェロ城はプッチーニのオペラ「トスカ」の舞台のひとつです。
今は、コロナの影響で合唱練習がすべてストップしてしまったことが、とても残念で...
ただ、宗教や芸術はどこを切り取っても学ぶべきことがあまりにも多くあります。
尊いもの、美しいものを見れば自然に感性が磨かれますし、それらを言語化したり、インスピレーションを受けて創作したりすれば、まわりによい影響を与えられます。何より考え方や人柄にもあらわれますから、わたしも少しずつ触れる機会を持ち続けています。
バチカンでは目にするものすべてにただ圧倒されるばかりで、「もっと知っていれば...」「もっと気づけていれば...」「もっとできていれば...」と悔やんだことがたくさんありました。
次がいつになるか、そのときまでに、もっとずっと成長した自分でいたいです。
@何かと情勢が不安定ですね。幸せな気持ち、達成感、満足感を思い出し、噛みしめたくて、だいぶ中途半端ではありますが、書きました。平和な世の中を祈って。