こんにちは、いかがお過ごしですか。
遅い夏休みをとり、趣味でやっている合唱でローマ・バチカンに行きました。
指揮者/西本智実さんの指揮のもと、サン・ピエトロ大聖堂でモーツァルト戴冠ミサと、オラショ(グレゴリオ聖歌)を歌いました。翌日にはサンパウロ教会に場所を移し、ベートーヴェン第九を歌いました。
わたしはこの旅を忘れない。
早朝に一人でサンピエトロの広場にたたずんだとき、ピエタを前にしたとき、クーポラを下から見上げたときの感覚、音の残響、マエストロの鬼気迫る表情...、感動的な瞬間が次から次にやってきて、胸がいっぱいになりました。じっくり噛みしめていきたいです。
オペラ「トスカ」の舞台でもあるサンタンジェロ城から、バチカンを臨んで。
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今回のツアーに参加するにあたり、一生懸命、練習を積んできました。
とりわけ、モーツァルトの戴冠ミサは三度の飯と同じくらい好き! 邪気のない、若くみずみずしいエネルギーを体いっぱい感じていました。
世の中がどんどん便利な方向に進化する今、手紙という手間の最たるものに携わっているわたしは、この半年くらいずっと不安や恐怖で体がブルブル震える感覚を覚えていました。
でも、わたし自身がクリエイティブであれば、いつでも価値を生み出していけるんですよね。
バチカンの圧倒的な富と権力を前にすると、すべてが丸裸にされるようです。そのとき何が残るのか? 凛々しく貫ける人は尊いと。そんなことを感じて、帰りの飛行機の中、「恐れや不安はすべて空に置いていこう」と決めました。
やりたいことがたくさんあります。
少しずつしかできないことがもどかしくもあり、でも、楽しく、目の前のことに励んでいこうと思います。